彩々/カルメンオジン
空の彼方から
零れ堕ちる詩
フカイの層まで
掻き乱してゆく
痂に針を
無邪気さに寄せて
空白の夜に
意識を縁取る
求める物とは
透明に近く
限りなく薄く
果てしなく脆く
皸割れた硝子
夜空に咲く星
理不尽なほどに
稀薄な色彩
傷つき空廻る
羅針盤
流れる行方さえ
認めない
望んで憧れて
狂わせて
失くして諦めて
加速する
捻切れる
今以上何色を
継ぎ足したなら
透明なあの場所へ
還れるだろう
意味通わぬ祈りは
厚顔無恥に
今日も時を重ねる
彩を重ねる
物憂げな夜は
眠りに委ねて
目蓋の裏に
夢の彼方に
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