磔の床/中村 くらげ
 
投げつけあった苛立ちが
そこら中に散らばった
冷たい床の上

手足を広げ寝転んで

ベッドの下で遊んでいる綿埃が
捕まえてみろよと言っている

床の上に
張り付けのように
自分で生み出した呵責に
縛られた

蛍光灯は消えて
吐息と泣き声のするベッドの隅が
近くて遠い

何度繰り返しても
この静寂には慣れない

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