時の何かが ?/
信天翁
カビ臭い脳細胞に浮きあがった
裸木をかかえたアベニュー
それが青い春のスライドだった
細い肋骨の胸にひろがった
収集できない幾重の波紋
それが赤い夏の出来事だった
禿頭の福耳にひびいた
木枯らしは揶揄の連発
それが白い秋祭りのお囃子だった
車海老の背骨になった
ターミナルで戸惑う老残は旅人
それが黒い冬のかげだった
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