バス停/salco
 
お父さんの部屋は半分おなんどで
机の横にさびたバス停がありました
お父さんが3年前
会社の近くのがらくた市で買って来ました

私と妹は大喜びしました
お母さんは
「何考えてるのよ、こんなもの買って
 車の支払いだって残ってるのに
 返して来て」
とお父さんをしかりました
「安いんだよ。今日で終わりだって言ってたし」
とお父さんは言って
「困るわよ、あんなもの」
と毎日言われても平気なようでした

そうしてきのうの夜中
バスはやって来たらしいです
プシューとドアが閉まる音を
私は夢の外で聞いた気がします
朝、お母さんが起こしに行くと
お父さんはいなくなってい
[次のページ]
戻る   Point(27)