大誤殺峠/和田カマリ
 
父は執念深く、母の敵の妖怪変化を追っていた

けもの道も途切れ、茨に裂かれながらも、なお小高い山を登っていた

いつの間にか、ボロボロのシャツは血だらけになっていた

上りきると峠には家族風の3匹の妖怪がいた

後ろ向きの彼等、だけど父には判った

奴らこそはあだ討ちの相手、そしてその実態は・・・

先の尖ったビニール傘を脇に抱えた父は人間ダーツと化し

ターゲット目掛けて、ラット(脱兎)のごとく突っ込んで行った

赤い逢魔ヶ刻、峠に木霊する鵺の鳴き声

一人刺した、嫌、だめだ三人とも刺さないと

こいつ等は三人で一人、三位一体なのだから

えいえいえい
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