フェルミのみた泡は/mizu K
が笑う
私はたずねる
しゃぼん玉の梱包方法を知っているかと
そう私はたずねる
子どもはこたえる
あの空の向こうのフェルミまでは飛ばせるさ
私の手のひらのフェルミは霧散してしまっていた
雪がふってきた
はらはらと
雲もないのに
はらはらと
太陽風にさらされたカラスの羽にも
いつしかうっすらと
リードにはなにも繋留されていない
子どもはもうこたえない
カラスはなにも語らない
背泳者は泡を生産しない
ヤマネは眠らない
フェルミは夢をみない
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