緑の桜/
黒ヱ
なくなった頃
「そうして わたしは気がつく」
また その美しい閏に
ほら ごらん
図らずしも いつでも対岸は成り
舟に弧を渡す
わたしたち
いつからこんなふうに 静かに
同じ景色を見つめるようになっただろう
季節を含む風は また攫う
「何度も 何度でも 同じ時を過ごす」
次に吹く 連れてくる色は
また ほんの少しだけ変わっているのだろう
緑に染まる木々
それがとても美しいと思えた
とても素晴らしいと思えた
それは 一人ではないということ
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