メアリ・シェリー『帰還』(“Absence”)/春日線香
 
……夫の死に際して


ああ、あなたは行ってしまった――わたしは一人残されて

なんという憂愁の時を過ごさねばならないことでしょう

喜ばしく輝ける太陽は没し去り

光輝の国にも闇が訪れる、まるでそのようにして


この夜を照らす星はないのですか

この胸を慰める星のきらめきは?

いいえ、確かにあります。追憶は仄かな光となって降りかかる

地平彼方の夕映えのごとく


夜は必ず明ける――おお、東方を彩る光でさえ

この希望の前には霞んでしまいます

明けの明星が昇るよりさらに明らかなこととして

ただひたすらに信じる――あなたの帰還を


[次のページ]
戻る   Point(0)