詩想/葉leaf
 
、浮浪者の寝ている暇に旅立たなければならなくなってしまったのだ。事業は成功し、青年は毎日忙しく仕事をこなし、ホームレス時代のことなど忘れてしまった。だがある時、訪問した顧客の事務所がその公園の近くだったので、ふと思い出して青年は公園に寄ってみた。ダンボールでできた家の中に浮浪者はまだいた。青年は浮浪者を憐れんだ。だが浮浪者は言った。「お前は約束を守らなかったが、本当は約束を守っていた。俺はお前と、言葉に出さなくとも、お前が偉くなることを約束していたのだ。確かにお前は言葉の上で、俺と飯を食う約束や俺を秘書に雇う約束を破った。だが、言葉になっていなかった「偉くなる」という暗黙の約束をお前は守ったのだ。」青年は浮浪者と固く握手をして涙を流した。浮浪者は彼が泣くのに任せておき、その後その公園にとどまった。「俺はお前の秘書になる約束を破る。」

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