albus/紅月
 



先天の翅、
枝分かれする水脈は、
紡がれていくたびにはぐれ、
寄り添うわざわいは、
森閑という森のなかに灯りながら、
あかく開花したさいわいを指折り数える、
去勢された哺乳類が呑みこんだ寓意、
幽霊。脚韻が、枝分かれする、
孵さずにはいられないあまたの埋火、

   /腕を牽く。勾配をくだる骨の欠損。
   抜け殻のような躰の渦中で、
   赤紙が燃えている、萌えている、
   育つ造花。ひとりでに演奏されていく深淵の、
   私秘から、漏れる、あらゆる線、
   が、牽かれ、


          平行する、


              (のを。ただ。
 
 
 
 
 
 
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