罰かこれ(深海の太陽)/竜門勇気
三十を越えて旅するものは詩人
寒気に絶望を見出すもの
寂しさに震えているのだと
自分を騙して
三十を越えてまだ望んで愚かでいるものは詩人
雪降れば頭振り
雨落ちれば睫毛濡らし
人の言葉がわからなくなっていく
人との付き合いがぎこちなくなっていく
ただの言葉に意味と思索を探してしまう
目つきはうつろになり
返す言葉はおぼろのよう
詩人の罪は無い
誰も詩人には罪をくれない
言葉は泳げず溺れ
返す言葉は虚ろの世界の方法で伸びる
奴は白痴よ
もぬけの殻よと
思考する歯車は
居場所がない
音を見ようと目を回し
風景を聴こうとうつむいて
詩人の病は深
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