天道虫/草野春心
 


  ざらついた道にとまった
  いっぴきの天道虫を
  きみの足がよけた



  たとえ空が青くても
  心が翳る日はあるけれど
  分厚い雲からこぼれた雨を
  きみといっしょに笑えるだろう



  瞳をあふれて頬をつたった
  涙がだんだん乾くように
  春はおとずれる
  温かい風と水にながれる
  いとおしい土筆の匂い
  きみといっしょに笑えるだろう



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