藍いろのセーター/凍湖(とおこ)
春の日の午後
かわいた洗濯もの
藍いろのセーターを抱きしめたとき
はっとした。
ぼくの、鼻腔のおく、ちくちくとはじける火花
目のおく、熱がひろがる。
あなたの肩の、匂いがしたものだから。
この前、いっしょに昼食をたべたとき
着ていた服
に、あなたが隠れていた。
洗剤のうずをくぐっても。
もしかしたら、もしかしたら、
あなたの匂いと、おもっていたのは、ぼくの匂いで
けれど、あなたのいないときには、嗅いだことがない、
ものだから、
知らぬまに
ぼくとあなたは、すこし、混じっていたのかもしれない。
なので、それは、もしかしたら、
とっても あい 。
などと、おもいながら 「とっても あい」を、畳む。
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