----/はるな
 

縦や斜めや裏返しにわたしの体がぎっこんばったんやられているあのときに決意しました。わたしはたぶんわたしではなかったです。黄色いのや赤いのは好いです、青いのも緑のも好いです、白と黒も好いです。ただし灰色は駄目です。裏打ちは必要なのです、影の伸び方の規則を見つけるのです。少女の目からただただ盗まれてゆくものたちへ名前をつけて、それがどんなに彼女たちを傷つけてきたかわからないでしょう?彼女たちは戦士だった、ぼろぼろの尾ひれを動かすたびに痛いのを疑問にも思わなかった。それで死ぬときにはっと気づくのです、ああ、これはたぶんわたしではなかった。わたしではなくて、「わたしたち」の痛みだったのだ。

さて
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