ぼくらの夏/梅昆布茶
 
入道雲がたかく盛り上がっていた
あの丘の向こうにぼくらの夏がある

縁側にふたりならんでこしかけて西瓜を食べた

僕が種を飛ばすと君はぼくより遠くへとばそうと
おたふくみたいに頬ふくらましてる

朝顔が笑ってるみたいだ陽はたかい

木陰は涼しそうで道は白く乾いてときおりオニヤンマが横切るのだった

おばあちゃんをこの夏亡くした君はそれでも健気に陽気なふりしてる

古い蔵の白壁が田舎の陽炎のなか揺れている

蒼く膨らんだ稲穂たちはだいぶ重そうで風をうけてサワサワとなるのだった

井戸水を金盥に手押しポンプでなみなみと満たすと今度は

青い壜のラムネとプラッシー
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