篝火/
嘉村奈緒
きみの柔らかい生き物を
毎晩夢に見る
わたしの柔らかい生き物を
かつて沼だった土地に放した
放物線を描いて
慎ましい身なりを合言葉に一斉に種弾く
それからの手記
それからの鐘の音
きみの柔らかい泥土
気にかけてもらえなかった緑野を
悼むために
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