もやしくん/藤鈴呼
 

地下系で 繋がっている 
細っこい もやしみたいな 白い根が
河童の皿を 連れて来る

若しくは 小さな 蕗
フッ と 吹きかけたら 飛びそうな
華奢な姿を 思い描くから 立ち止まる

佇んで
油断する

その 切っ先を 掠めるのは 刃
刃の先に 刃が 残されていて
幾つも 幾つも 傷を 作る

箱の中に 箱が 隠されていたら
その先の 小さな箱を 連想するでしょう?

一番奥の商品は 当然 小さ過ぎて
何だか 味気無いのだれど
無い よりは 上等

幾つも 幾つも 連なるのは 凶器
少しずつ 羽交い絞めにして
青々とした気分を
台無しにする
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