色盲/一尾
便箋を整理していたら人から貰った手紙が幾らか出てきて見覚えのある色彩を携えた紙の様子に何となく懐かしくなっていたのだけども不意に忘れてたポストカードなんかも目端に映ってうっかり息がつまった肺胞がいくらかしんだ
ポストカードの表には女流写真家が撮った水色の滲んだような風景が貼り付けられていてぼんやりと過去のわたしが追いやったものの残り滓を示していた
彼女からもらった手紙の端々に零れているこころの透徹さを結局のところ私は読まないで燃やしたいや読んだし意味も理解したし求められていることすら生まれた時より誰かが細胞に丁寧にメモをしてくれていたのではないかというほど明確にわかったのであるが
わかってい
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