造花の詩/
ただのみきや
造られたのだ
望んだ訳でもなく
花の像に似せられて
花の代わりに飾られて
その美しさに比べられ
蔑まれては
やがて飽きられ捨てられる
色褪せても尚
枯れることも許されず
土に還ることもできず
造花に心があったなら
何を思い
何を願う
偽物たちのために誰か
涙を流す者はいないのか
春のやさしい風に揺れ
散らすは薄い花びらに
酷似しすぎた黒い灰
白い煙も毒ならば
最後の祈りも偽りと
いったい誰が言えようか
いったい誰が
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