春畑/朧月
私にとっての
文字はいつでも切実すぎて
弄んだりできないかんじです
常に
タスケテをはらんでいます
あなたに
むけての
真っ白になったページがほしい
いつからなくなってしまったのだろう
すでにかきこまれた
ものしか残っていないのです
毎日はおなじような景色
でもいまの土はほら
期待をこめて耕されて
真っ黒なんです
どくどくいのちの音がするようです
そこだけマークされたような
植樹がひかっています
私の願いがあふれた文字でなく
遊びようのような
おえかきのような
はなうたのような
そんな文字で遊びたい
ぽかんと口をあけながら
梅の木の下で
真っ黒な畑をみています
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