白き花零れゆく/石田とわ
 
 

    それは
    人の魂を包むものでした
    紫紺の夜空にぽっかりと
    白く人魂のごとく
    浮かぶのです
    隠されているのでした
    6枚の 花びらに
    今宵、下弦の月の下
    ゆるゆると
    その花びらが開きます
    零れていくのです
    魂が
    どこかでだれかが
    終わりを迎えるのです
    わたしの花は
    いつ咲くのでしょう
    あの白さが
    妖しすぎるのです





           
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