1/2668人/月乃助
 
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流され

  流れつく


 波の略奪品がたどりつく海辺
Astoria
陽を受ける果てをしらぬ砂浜の
行き過ぎる 老夫婦のかたらい
町のちいさな回転木馬の解体


円環する幸せは、ありはしないという

漂流の旅らしきものが、終わり


 擦り切れた
セ‐ラ‐服のスカ‐トのすそを洗う、波を気にしながら
身を横たえ
もう、皺をよせる海の機嫌を心配せずにすむことになった日


 光にあふれ
ゴ‐ルデン・リトリ‐バ‐が駆けより、
僕の指先のにおいを かいだ


 数多な浮遊する瓦礫は、審判の筏のようだと
それに埋もれるように 海に誘わ
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