無声/
風呂奴
無口なソファのうえで
すみれの刺繍が眠っている
追憶の傍を 離れぬように
発話されない希望の群れが
いたる視線の向こう
ありふれた角度の曲がり道で
あなたの到着を
待っていればいいのに
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