キャッスルオブシューズボックス/未満ちゃん
 
(わたしがえびドリアを注文しないことで、
 知りもしないどこかの美人さんがしあわせになれる可能性について
 わたしはわらえずにいた

(あのひとはフライドポテトを掘るのにむちゅうで、
 そんな話をけっきょくただの一度も、否定しなかった

(わたしはふくれて。なにが不満だったのかひとことも口にせず
 お手洗いに行くって、30分以上はもどらなかった

(あのひとは長いことわすられた調味料のビンみたいにはりついて
 あたまやからだのほこりをなんども、気にしてた

(蒸発してく感覚をマステでなんども確認することがいそがしくて
 あのひとが棚から消えたその日、きっとただ裏側に落ち
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