準急列車が出発します/そらの珊瑚
かり知られてしまったら
明日には
一家の主婦なのに的なレッテルが町内に流れることだろう
そういえば
実家の父が
「一家の主婦なのに晩御飯時にいないとはどーいうことだ」と
ことあるごとに母に立腹していたっけ
子供にとっちゃ、別に母がいなくとも、御飯さえそこにあったら問題なしなのに
どーいうことだ、と言われても
おおかたどこかでまた井戸端会議でもしているに違いないって知っているでしょうが
主婦は家に【準ずる】役割をまっとうするべき
それが昔気質の父のいいぶんだった
もっと時代を遡れば【殉ずる】なんて怖いこともあったかもしれない
結局のところ
結局父は母のいない食卓がさみ
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