雲と柔らかいほっぺ/よしたか
 



まず雲を書いたのは
雲は想像力の手にしっくりくる粘土だからね
それから雲は
どんな形をして
どんな空を流れて
やがて見えなくなり
いちご水のような雲海から
また素晴らしさをすくいとれるのか

僕は芝居がかった心臓を一度とめ
小さな傷をジェット機にする
何色でもかまわない空へ飛んでいく

分厚い囲いで咲き誇る徒花は
魅惑的な変化に傷つく心が固定した空の下
その下で育った動きまわる窓さ
太陽光を押しとどめるビニールハウスのうねり
弾き返される光のトンボたち
8つの足を抱えてる涙のタランチュラ

僕は君の迷いのない情熱に驚いていたんだ
ちょっと芝居が
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