フラウ No.1 〜How about you?〜/破片(はへん)
 
晴の、春風から、海の潮を
殺さないように、取りのぞくことが出来た
きみのそばを離れるとしたら、ぼくの喉は詰まり、
発熱し続けるセルフォンの、重みに崩れ、
声も出せないまま
粘つく軟体として、単純な、煩い、
リピートの果て、挙句。

境界だった、フラウ、
きみの周囲には、囲うようなドーム状の
壁があるはずだ、
きみの白銀にちかいブロンドを濡らす風は
ここにない
いくつもの花の咲く場所を探す間、
ぼくたちは傘を持ったことがない
境界だった、海からのぶつかるような、
潮風にきみだけが、取り残されて、
きみは笑う、ぼくはよろける、
きみは、笑う、
風を手に取る、凪いで
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