川岸にて/
そらの珊瑚
女の子の
苗字と名前にある
わずかな空白に
小さな川が流れて
いる
せせらぎのような気安さであるから
そこをいったりきたりすることが
できる
時々流れてくる桃を
無邪気に拾って遊んでみたり
する
そのうち胸がふくらんで
好ましい手が三つ編みをほどいて
いく
ああ 気がつけば
わたしの川は
もう渡ることが叶わない
大きな川になってしまって
いた
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