祭壇/草野春心
春の光が曇天を縫い
硬い空気を細く通り抜けてくる
すべては卓上に出揃った
いくつかの瞳、
いくつかの臓器
毟り取られた数枚の花弁
床に落ち埃の下敷きになる
水道水が管を通り抜けてくる
ぬるい
銀色の夢
わたしたちの
時間は何時でも石塀のようだ
今、そこには四角い穴が開いている
春の風が草木と光の匂いをたっぷりと運んでくる
死んでいるものへ向けてわたしたちは祈らない
生きてゆくものへ向けてわたしたちは祈る
瞑想が静かに通り抜けてくる
灯される炎
透明な祭壇
あなたたちの
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