物語り、してね/しんとよみ
乾いた喉が喜ぶ、透き通る香りの飲み物と
見ているだけで幸福な、いろとりどりの食べ物を
ぎっしりぎっしりテーブルに置き並べて
一緒に、声果てるまで、山ほどの話をしよう
ねぇ、私に聞きたい事柄は無いですか?
私に教えたい物語は無いですか?
この部屋なら
いくらでも
いついつまでも
日が落ちたら蝋燭を灯し、
暗闇から逃げ惑う秘密を罠で捕らえよう
日が昇ったらカーテンを開け、
目映さに隠れた真実を握り締めよう
たくさん話して眠り込み
明日が来たら
枕元
靴下
ひそやかな贈り物を
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