この候を満たす風/朝焼彩茜色
爽やかをどう表現しよう 漢字の中に幾何学を見る淡白
この候を満たす 華麗な空の下 色などつけなくとも いと美しい
彼女の耳に音階の異なる民謡が流れる もう初夏に目覚めている南風の栄え
イソヒヨドリの青い口ばし
ここには仲間であろう オレンジの口ばしが 彼女を誘う
どこそこの小鳥 警戒心は程々に歌っておくれ
耳に優しい心臓の音階 彼女は昇ってゆく トントトン
さらりりらさ爽やかさ 心の建物にこの候の風が透き通る
包まれる華麗な空の下 ただ眺めて過ごすだけでも凛々しくなれる
彼女の影法師が弦楽器に揺れながら 華麗な空の上へ帰る
また明日 笑顔を届けに降りてくる
この候を満たす 華麗な心へ
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