海の住人/みもる
合いまで行ったのだろう
僕も子供のころは
あそこまで行って楽しめたはずなのに
今は海水が足元までの 海辺までしか進めない
立ち尽くしていると
知らない子供が不思議そうに笑顔で
うきわを貸してくれた
ムカついたけど
素直にうきわを使って進んでみることにする
ここに立ち止まっていても
何も始まらない
うきわを使うと
簡単に沖合いまで来ることができた
波に揺られながら 海辺のほうを眺めて
ああ、そういうことか と思いつく
困ったら 助けてもらばいいんだな
迷ったら 周りを見回せばいいんだな
海辺に戻って 暖かい砂浜に大の字に寝転がる
気分がよくなって もうどうでもよくなる
日が沈んだら
きっと誰かが起こしてくれるだろう
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