月光庭園 ?大正風な少女趣味のソネット?/
佐々宝砂
りて朝日昇れば
君は身を横たへぬ
毀(こぼ)ちたるかのきざはし
[月光庭園]
十年(ととせ)経てども
花は軒端に咲き誇らん
月はさやかに地を照らさん
されど我等が散歩は終はる
彫刻の背にかたくなに
畳みこまれし石の翼は
選ばれしゆゑの矜持ならんか
拒まれしゆゑの痛みならんか
君が矜持は
今も我等が矜持なり
我の痛みは
今も我等が痛みなり
されど我等が散歩は終はる
夜は今にも明け初める
戻る
編
削
Point
(1)