ららら/M?lodie
きみとぼくとで重ね続けた
吐き出した息に
夢に
過去に
ゆるゆると
融けて消えていくのを
茫然の向こう側から黙って見ていた
まるで最初から嘘だったみたいに
音の高さや色や時間や
生きてきた場所も見てきた世界も
ひとつも重ならないのに
小さく呟いた声に
小さく返った声が
それは小さなぼくらの始まりのうただった
解き放つ
空へ土へ何もかもへ
忘れえぬ日々へ
ぼくらは愛そう
聴こえない声のままで
ぼくらを隠す世界の片隅
届かない想いのままで
どうか、どうかと願いながら
繋いだ手をほどく
背中合わせで歩き出す
愛されない今に一歩を踏み出し
小さく今日も
ららら
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