来るべき戦いについて/佐々宝砂
おまえは準備しているか、
俺たちは戦わなければならないのだ、
クローンの少年少女が大群となって押し寄せてくる、
選挙権もないくせに武器だけは手にしている、
だから俺は来るべき戦いについて語らねばならない。
萎れた花を手にして老人たちが愛を語る、
腐りかけた養殖岩魚を老人たちが塩焼きにしている、
追憶という金の縁飾りが老人たちを盲目にする。
だがそんなものは無視してかまわない、
老人たちは放っておけば死ぬのだ。
唐突にMIDIがうたいだす、
少しばかり哀切なそのメロディーに、
俺は強烈な苛立ちを感じ、
・・・・立ち止まれ。
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