魚が飛ぶ日は決まっている/ざらざらざら子
 
麒麟て仲悪かったんだ、知らなかったな。奴等は上手いこと溶け込めなかったんだろうか、冷たいと甘いのあいだに、



ゆっくり確実にずれていくあたしのすべてに
アルコールを捧げてほしい



夕景を背にして魚が飛んでいる、あれは日本から逃げ出す動物たちを乗せた飛行機だ。
動物園の周辺は、臭くてたまったもんじゃない、そう言って人々は動物園の閉園を求めて動き回る。ここでわたしたちはアルコールを体内にぶちこんで、冷たいと甘いのあいだに「許す」をねじ込むべきだったんだけど、そう、気がつくのはいつも、すべて終わったときね、お母さん。あたしはあんたから生まれてきたってこと、おぼえてる?あたしは忘れそうだから、メモして本のあいだにはさんでいるよ。



「動物園戦争、そして、魚が空を飛ぶ、
/母さんから生まれたあたしは忘れっぽい」


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