二人、または/
ゼンメツ
は
大きめの世界で
麻痺した舌に甘いものをのせながら、
他人事が溶けていくさまを、
レンタルして観ていた
あれは、
かわるがわる窓の外
透明とあらわすには、
あまりにも矛盾していて
うつり込んだ顔と、
不安な高さの積雲へ
いちばん好きな花を毟って投げたのに
ほんの目の前に落ちて
瞼のフレームを絞る
現在、ひとつに集まるものは、
ただ側面をつたう水滴、
電車、そして
私たちは、
いつまでも遠かった
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