準ずるものたち/石田とわ
 


      水平線が欲しいと泣いた
      混ざらぬふたつが眩しすぎ
      泣くしかなかった                 
      空は碧に準じて深すぎて
      海は青に準じて透き通る
      溶けそうで溶けあえぬ
      もとはひとつのものだった
      水平線を手の中で
      隠して泣いた
              





戻る   Point(12)