命への問い掛け/吉岡ペペロ
 
誰もわるくない

誰もわるくないわりに

誰もが傷つき倒れている

いいわるいではなくて

楽しいか楽しくないか

この感性で判断すれば

誰も傷つき倒れるようなことはなかっただろう

楽しいか楽しくないか

それが命への唯一の問い掛けだったのだ


さいごのほうは楽しくなかった

なのに楽しくないことに寄り添っていた

それが愛だと思っていたからだ

ふたりともそんなだった

もう命の欲求とは

なん万光年も離れていたのに


誰もわるくない

誰もわるくないわりに

誰もが傷つき倒れている

いいわるいではなくて

楽しいか楽しくないか

この感性で判断すれば

誰も傷つき倒れるようなことはなかっただろう

楽しいか楽しくないか

それが命への唯一の問い掛けだったのだ







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