からだたち/はるな
 


風のつよい日
からだたちは直立してなびかない

たくさんの
「愛している」たちが汚れている
雑音に足を濡らして

からだたちはやっと
死ぬことにした
それでしか乾く術がないので

空がびゅうっと
もう一度鳴ったら
死ぬことにした
からだたちは直立して
ずうっとそれをまちつづけた



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