また時の流れに打ちのめされる/寒雪
ざめたコンクリートの幻影と
かくれんぼしようと
影から影へと大股歩きで
朝がぼくの前で微笑むのは
どっちの方向だったのか
首を勢いよくまわし続けるけど
あざ笑いながら色を失って
深く深く黒くなる闇は
毎晩毎晩
積み重ねられた悲しみを
蹴散らしては大きくなる
これからもそうなのか
止まらない記憶の洪水を
ぼくの心に留めておきたくて
鮮やかな気持ちを切り取って
いつまでもいつまでも
アルバムに貼り付けておきたい
けれども
ぼくの思惑とはいつも違って
ぼくの望みを馬鹿にしながら
カレンダーはいつだって
引きちぎられてその都度
聞くに堪えないうめき声を
そうさ
昨日も今日も明日も
時間がぼくを打ちのめすだけなのさ
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