風の詩/梅昆布茶
 
村上春樹ではない僕の風の詩を描こうと思った

ラヴェルのモダンなピアノ曲を聴きながら風を思った
風は自由だ
あくせくしないし

僕たちは単純に生きる事を学べるのではないだろうか
ゆるやかに旋回してはまたふんわりほどける風のリズムほど
僕たちに必要なものは無いのかもしれない

風は孤独に山野を吹き渡りときには海風となって帆を孕ませる
形のない大地と空の呼吸なのだな

僕達の息は風
こころの世界を吹き渡る風

真白いキャンバスに描かれた素描のように
風は僕たちの生きる骨格をおしえてくれる

無名のままに

風よおまえをなんと名付けようか




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