悲しみ/文字綴り屋 ひじり
 
ゴツゴツした大きな悲しみ
それがあなた
そばに転がっている
小さなカクカクしたのが
私の小さな悲しみ

目をつぶれば
押し潰されそうになってる
だから怖くて
目をいつまでも見開いてる
それなのに
何にも私の瞳には映らない
まるで蜃気楼のように
ゆらゆら揺らいで幻みたい

それでも
生きてるって叫ぶの
それでも
生きたいって叫ぶの

あなたの大きな悲しみの声が
足元の大地から聞こえるから
あなたの大きな悲しみの声を
耳元を過ぎる風が伝えるから
震える大気
震える指先
蒼白な夜明け
蒼白な表情

もう泣いてもいいですか
もう我慢しなくていいで
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