おれはヒトゴロシにはなれなかった/ホロウ・シカエルボク
 
そんな手段が必要だったんだ
自分のやりたいことははっきりしていたさ
ヒトゴロシにならなくてもいいなにか強烈なこと
ヒトゴロシにならなくてもいいなにか懸命なこと
自分のキチガイとうまく折り合いをつけて
涼しい顔で街を歩くための方法
聖人君子になるために
こんなことやってるわけじゃないのさ
そんなことやってるやつらのおめでたさなんか理解出来ねえ
ハンドルの壊れた疾走するバイクの前輪蹴飛ばして方向を変えるような真似をやり続けてきたんだ
しくじったらどっかに激突して一巻の終わりさ
だから面倒な話をおれに持ち込むなよ
しょうもないアクションでおれの足を止めよう
[次のページ]
戻る   Point(5)