生命、/田園
 

私が成すべきはなんだろう。
子供をはらむことかもしれない。
独身で趣味や資格習得にいそしむかもしれない。
そして死ぬかもしれない。

心に病を抱えてしまった私は、
絶望と呼べるのか分からない、不条理に出会ったりしたが、
昔、おそらく経験している。
私が生まれる前の私として。

生命とは、そういった幸不幸なにもかもで、
おぼれ遊び泳ぎ休み、
充分です、と心から―魂が―思ったとき、
終るものかもしれない。

未熟な若人、成熟した初老。
なにもかも対等で、なにもかも不平等だ。

しかし、
生命は、
甘く見てしまえば平等なもののように感じた。

今日、父の肩をもんでいて、
そう思った。


戻る   Point(4)