生命、/田園
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私が成すべきはなんだろう。
子供をはらむことかもしれない。
独身で趣味や資格習得にいそしむかもしれない。
そして死ぬかもしれない。
心に病を抱えてしまった私は、
絶望と呼べるのか分からない、不条理に出会ったりしたが、
昔、おそらく経験している。
私が生まれる前の私として。
生命とは、そういった幸不幸なにもかもで、
おぼれ遊び泳ぎ休み、
充分です、と心から―魂が―思ったとき、
終るものかもしれない。
未熟な若人、成熟した初老。
なにもかも対等で、なにもかも不平等だ。
しかし、
生命は、
甘く見てしまえば平等なもののように感じた。
今日、父の肩をもんでいて、
そう思った。
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