ひかり ゆくえ/
木立 悟
った
壁に 紙に
涙を吐いた
街が静かにやわらかくなり
翳りの筒が内を行き交い
光は嵐を引き寄せる
見わたすかぎり瓦礫の丘
祝福の無さ
喉の痛み
夢のなかの数百年
いつのまにか
雨は遠い
人のものではない明かりがそそぎ
緑は白と黒に近づき
街と原の境を喰らう
虫が羽音を思い出せぬ間に
煙を貫く虹の端々
追っても追っても遠去かる影
まぶしさは静けさに何も言わず
行方をひとつ手わたしてゆく
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