セプテンバー山男/カンチェルスキス
 
の連続テレビ小説の再放送の俳優たちの
 ヘタクソな関西弁が
 まかり通っていた
 一重の面接官も同じ店で食うことがあった
 もちろん違うテーブルで
 面接官は日替わり定食を食った
 750円だ
 おれはそいつにたっぷり稼がしてやった
 そう言うのは間違いだろうけど
 そして
 マジシャンになるための練習と仕事が両立できなくなってきたからという理由で
 おれが辞めるまで
 そいつを含めてほとんど誰とも
 言葉を交わさなかった


 おれがヘマをやらかして
 ガタンと音がして
 ベルトコンベアを流れるカタログが一箇所で
 潰れ
 活気のあるクソみたいに盛り上がってゆくさまを眺めるのが
 おれは好きだった








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