牛馬の様に/ドクダミ五十号
 
それは農業にとって
大切であった
私のルーツは豪農の家の
三男坊の遺伝子だった
たったの数日
厩と付随する部屋をみて
直ぐに叔父である家長が
逃げた原因が悔しかった
貪欲なまでの欲望が
家を潰すのに
数年しかかからなかった
効率の魔物は叔父の精神を乗っ取った
広い家屋敷には最初は成功した鶏舎が
後に失敗の原因である豚舎が
今でもその生垣に閉ざされた
「本家」にある
失敗の故に取り上げられた「田んぼ」に
囲まれている
「田畑失って」
農家は続けられない
農業は知恵なのだ
苗代一つを取っても
あるいは麦の畝の間に
大豆を育てる様に
知恵を捨てて
経済的
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