川柳が好きだから俳句を読んでいる(2、八木三日女のこと)/黒川排除 (oldsoup)
いは奇形児が、あるいは絶望が、あるいは致命的な不足が。この場合は、まあ八木三日女の人となりなど知ったことではないので勘で書くけど、長崎行と書いてあるので奇形児のことだろう、原爆の奇形児。奇形児を比喩的に書くのでなく、奇形児と書く。悲しみを見たまま悲しみとしてぶつけているわけだ。ガツンと来るじゃないか。そしてジャズと奇形児が地下というキーワードで結びつき、各々がまだ一段と深い暗闇へ、裸電球で照らされるだけの暗がりへ進み、あるいは同じ場所にいる。こう考えるとものすごく立体感が出てくる。
八木三日女のことを考えるときこういう暗い立体感、容赦のないグロさは外せない。代表作であり、いずれも句集やセク
[次のページ]
[グループ]
戻る 編 削 Point(1)