まだ見ていないものがある限り俺は何も知らない/ホロウ・シカエルボク
 
ものがそこにある、俺は何かを知らない、まだ何かを見たことがない、穴ぼこはいつまで開いているのだろうか?そんなことも判らない、行き場のない感情が言葉に変わりはじめる、もどかしい手を出来るだけ早く動かして、少しでもたくさんの言葉に追いつけるように、少しでも多くの言葉を焼きつけられるように、書き残せるように―なにかが俺に生きろと言う、俺にはその声に答える余裕さえない、この言葉がどこに行くのか俺は知らない、俺の知らないところの俺から生まれたものに、俺の名前がついて掲示板に曝される、それは俺にとって理想的な在り方だ、書くことに安住したくは無い、綴るたびに生まれるスピードはまだ新しい何かについて話そうとしている。






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